豆知識 建築基準法【民泊 運営代行 北海道】
2024/07/03
【不動産の豆知識あれこれ】建蔽率・容積率編
物件情報に建蔽率(けんぺいりつ)・容積率という記載がありますよね。
空欄の場合もあれば、「60%」「200%」という数字が書かれていることもあります。これは一体どのようなことを意味しているのでしょうか。
これから「建蔽率」「容積率」の意味や、購入に当たってこの数字をどのように解釈しなければならないのかを解説していきます。
建蔽率と容積率は建築基準法のルール
建蔽率・容積率は、どちらも建築の基本的なルールを定めた法律である「建築基準法」で定義されています。
どちらもざっくりいうと「建築物の規模」の上限を定めています。
世の中の土地は都市計画法で都市計画区域・都市計画区域外に区分されています。そして更に都市計画区域内で市街化区域として指定された区域は用途地域が定められますが、この用途地域ごとに建蔽率や容積率が決められているのです。
ところで「建築物の規模」と言いましたが、建築物の面積には次の2つの概念が存在します。
①建築面積:建物の水平投影面積。建物を真上から見た時に地面に影を落とす部分の合計が建築面積です。
②延床面積:建物のすべての階の床面積を合計した面積。2階建ての建物であれば1階と2階の合計面積が該当します。実際に建物を利用できる合計面積というとわかりやすいでしょうか。
建蔽率(建ぺい率)
建蔽率とは、建築物の建築面積の敷地面積に対する割合のことです。
建蔽率(%)=(建築面積÷敷地面積)×100
例えば建蔽率60%と書かれている物件で土地が100㎡だった場合、建築面積の上限は60㎡です。この値が100%に近いほど、敷地に対してめいいっぱい建物を建てられるということです。
容積率
容積率とは、建築物の延床面積の敷地面積に対する割合のことです。
容積率(%)=(延床面積÷敷地面積)×100
例えば容積率200%と書かれている物件で土地が200㎡だった場合、延床面積の上限は200㎡です。この値が大きいほど、(容積率上は)より高い階数の建物が建てられる、上層階も広い面積を確保できるということです。(尚、建物の高さを規制する法令は他にも複数あるため、容積率が高いからと言って単純に高階層の建物を建てられるわけではありません。)
建蔽率・容積率をどう解釈したらいい?
建蔽率は日照・風通し確保のための上限値
建蔽率は、敷地内に一定割合以上の空地を維持し、日照・風通しを確保するために設定されている上限値です。
先程建蔽率が高いほど敷地にめいいっぱいの建物を建てられるといいましたが、建蔽率が高いからいいというわけではありません。
建蔽率が高い土地であれば、その周辺の土地も同じく建蔽率が高い地域ということになります。つまり隣戸も敷地めいいっぱいに建物を建てられるということです。結果として建物が密集したエリアになるので、日照が確保できなくなったり、隣の建物からの音が聞こえやすくなるなどの可能性があります。
一方、建蔽率が低い物件では敷地に対して建物を建てられる面積が狭くなるものの、周辺の土地も同じように空地を多く確保した状態になるので、ゆったりしたエリアになるでしょう。
容積率には人口をコントロールする意味合いがある
容積率は建蔽率同様に空間を確保するという役割の他、人口をコントロールするという意味合いがあります。
人口が局地的に増えてしまえば、周辺の道路混雑やインフラの供給不足といった事態が起こってしまう恐れがあります。これを防ぐために容積率の上限が規定されているのです。
通常の住宅地であれば容積率は200%の地域が多いです。こうした地域には2階建てや3階建てと言った住宅が多く立ち並びます。一方、容積率が1000%などの地域になると、その分高階層のマンションやビルなどの建物がメインの街になるでしょう。
つまり容積率はその街並み景観の形成に大きな影響を及ぼします。
また、容積率が高い地域ではその分人口が増えるので、生活に必要なコンビニ・スーパーなどの商業施設が増え生活利便性の高い土地になることも期待できます。
建築基準法の用途地域や制限もいろいろ意図があって定められているんですね。
このような豆知識があると、その場所がどういった街作りを意図しているのかが見えてきますね。
民泊をお考えの方も、場所の選定をする時のヒントになるかもしれません!
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