札幌再発見!札幌軟石編 【民泊 運営代行 札幌】
2024/06/21
【札幌再発見!】札幌軟石編
今回は札幌市民でもあまり多くに知られていない話題をお送りします。
札幌軟石4万年の旅ー 地史を揺るがす大噴火から “カワイイ”まで ー
札幌軟石は、約4万年前に起きた支笏火山の大噴火による火砕流が冷え固まったものです。
明治時代以来、建築材料として使われたのはもちろん、採掘や運搬の歴史においても大きな軌跡を残しています。
今なお切り出しが行われ、カワイイ雑貨やインテリアへの用途も広がる札幌軟石は、地産地消の資源として進化を続けています。
開拓使も着目した耐火性の強い札幌軟石
約4万年前、支笏火山は巨大噴火を起こしました。
火山灰や軽石は高さ3万mまで噴き上げられて広く降り積もり、火砕流が流れ下りました。
これらの噴出物は、太平洋に注いでいた石狩川の行く手を阻み、流路を日本海に変えてしまったほどの膨大な量だったとも言われています。
それが冷えて固まった溶結凝灰岩が、札幌軟石です。支笏火山の跡は大きなくぼ地になって水が溜まり、カルデラ湖の支笏湖となりました。
それから遥かな時が流れた明治時代、開拓初期の建物は木造で断熱性が低く、寒さをしのぐために家の中で火を焚くことも多かった北海道では火災が深刻な問題でした。
そこで開拓使は、米国より招いたお雇い外国人、ホーレス・ケプロンらの助言を受け、耐火性の強い建材として札幌軟石に着目します。商家の蔵、店舗、公共建築、教会、倉庫など軟石建物が次々に建てられました。
空隙率が高く保温性も優れていたので、野菜や果物の保管、酒・味噌・醤油の醸造庫としても最適でした。東区や北区ではタマネギ倉庫、豊平区ではリンゴ倉庫、厚別区ではサイロなど地域の特性を反映して多彩な使われ方をしました。
軟石とともに発展した石山地区
札幌軟石の切り出しは、昭和になってチェンソーが導入されるまで、石工の手によるものでした。
ツルハシで石に溝を作り、金矢を打ち込んで石を浮かせて割り出すのです。石工がツルハシを振るう回数は1日数万回にもなったとか。割り出されたままの石の表面から凸凹をツルハシで取り除くことを野取りといい、仕上げには熟達した石工の技が冴えました。
運搬の面では札幌の交通にも大きな影響を与えました。
札幌軟石を運ぶため、明治42年(1909年)に石山から南2条西11丁目付近まで馬車鉄道が敷設されました。
現・国道230号の通称「石山通」は、石山の軟石をはじめ、硬石など地域産の石材が運ばれた道であったことに由来します。
大正7年(1918年)には豊平と定山渓を結ぶ定山渓鉄道が開業し、石山地区には石切山駅もできました。
今、駅舎は石山振興会館となり、ぽすとかん(旧石山郵便局)とともに地域の拠点になっています。ぽすとかんのインテリアには札幌軟石のアートがあしらわれています。
女神はなぜ目隠しをしてるの?
大通公園の西端に面する旧札幌控訴院庁舎(札幌市資料館)。
令和2年12月に国の重要文化財に指定されました。
正面玄関の上部には目隠しをした法の女神像、左右には天秤と剣のレリーフがあります。
女神像が目隠しをしているのは、貧富の差や権力にとらわれない法の前の平等を示しているからです。
「進化」を続ける札幌軟石
街に深い情感を添え、かけがえのない景観を形づくってきた札幌軟石。鉄筋コンクリートの時代になって軟石建物は減っていますが、平成27年(2015年)の調査では市内に約300棟以上が残っており、飲食店やギャラリーとしても活用されています。
そのような中、令和2年12月に札幌市資料館(旧札幌控訴院庁舎、大正15年(1926年)建築)が国の重要文化財に指定されました。美しさはもちろん軟石と煉瓦を組み合わせた構造、2階床の鉄筋コンクリートの採用など新旧の建築技術が融合していることも評価されました。
石山地区を訪れると、採掘跡が古代遺跡を思わせるアート空間として整備された石山緑地や、藻南公園の札幌軟石ひろばとして野外展示された最古の採掘跡も見ることができます。
吸水性の良さを生かしたかわいいアロマストーンや、コースターに変身した札幌軟石を購入することもできます。地史を揺るがす大噴火から4万年。札幌軟石は遥かな旅の途上で進化を続けています。
鳥居や狛犬も軟石づくり
石山神社
札幌市南区の石山地区は札幌軟石の産地として、多くの軟石の建物が残る地域ですが、地区内にある石山神社では、鳥居をはじめ、狛犬や灯篭なども軟石で作られています。
境内には歴史を伝える多くの石碑もあります。多くの年中行事も行われ、地域の人たちに親しまれている神社です。
文化財の名称 | 指定等の状況 | 所在地 |
---|---|---|
石狩川 | 指定なし | 北区、東区 |
髙城商店(石造倉庫) | 札幌景観資産(第25号) | 東区北7条東4丁目28 |
秋野総本店薬局 | さっぽろ・ふるさと文化百選(建物)No. 7 | 中央区南1条西1丁目 |
旧沼田家倉庫(現・豆蔵珈房「宮田屋」東苗穂店) | 札幌景観資産(第30号) | 東区東苗穂5条2丁目11-18 |
篠路駅周辺の倉庫群 | さっぽろ・ふるさと文化百選(建物)No.30 | 北区篠路3-7 |
八紘学園資料館(旧吉田牧場畜舎・石造サイロ) | さっぽろ・ふるさと文化百選(建物)No. 40、札幌景観資産(第9号) | 豊平区月寒東1-12~13 |
北海道大学旧第二農場釡場 | 国重要文化財附指定 | 北区北18条西7丁目 |
北海道大学旧第二農場原動機室 | 国重要文化財附指定 | 北区北18条西7丁目 |
北海道大学旧第二農場サイロ | 国重要文化財附指定 | 北区北18条西7丁目 |
近藤牧場(石造サイロ) | さっぽろ・ふるさと文化百選(建物)No. 28 | 北区新川694 |
旧馬場農場のサイロ | さっぽろ・ふるさと文化百選(建物)No.36 | 厚別区厚別中央2-3 |
旧宇納牧場サイロ | 指定なし | 厚別区上野幌1-5 |
日本基督教団札幌教会(旧札幌美以教会堂) | 国登録有形文化財、さっぽろ・ふるさと文化百選(建物)No.4、札幌景観資産(第7号) | 中央区北1条東1丁目 |
カトリック北一条教会司祭館カテドラルホール | さっぽろ・ふるさと文化百選(建物)No. 3、札幌景観資産(第23号) | 中央区北1条東6丁目 |
ツルハシなど石切に使う道具 | 指定なし | |
石山通(国道230号) | 指定なし | 中央区・南区 |
旧石切山駅(現・石山振興会館) | 札幌景観資産(第10号) | 南区石山1条3丁目1-30 |
旧石山郵便局(現・ぽすとかん) | さっぽろ・ふるさと文化百選(建物)No. 41、札幌景観資産(第5号) | 南区石山2条3丁目1-26 |
石山神社 | 指定なし | 南区石山2条3丁目254 |
旧札幌控訴院庁舎(札幌市資料館) | 国指定重要文化財、さっぽろ・ふるさと文化百選(建物)No. 18 | 中央区大通西13丁目 |
石山緑地 | 指定なし | 南区石山78-24外 |
石山軟石採掘場跡 | さっぽろ・ふるさと文化百選(遺跡)No.68 | 南区石山78 |
藻南公園 | さっぽろ・ふるさと文化百選(遺跡)No.67「伝説・おいらん淵」 | 南区川沿9~11条1丁目、真駒内真駒内柏丘7・8・12丁目(公園範囲) |
札幌軟石の小物 | 指定なし |
※上記一覧には、公開されていないものもあります。
※北海道の産業とくらしを支えた札幌軟石に関連する石文化は、 「札幌軟石」 の名称で北海道遺産に選定されています。
-
北海道大学農学部第二農場
北大農場の原型は、1876(明治9)年に札幌農学校の開校とほぼ同時に開設された農黌園(のうこうえん)です。
初代教頭のクラーク博士の指導でつくられました。
第二農場は、北海道の風土にあった酪農のモデル農場の姿が当時のまま残されています。
札幌軟石でつくられたサイロは1912(大正元)年に建設。
道内最古のサイロと言われています。札幌市北区北18条西7丁目
観覧時間10:00~16:00
休館日 第4月曜、冬期間(11/4~4/28)
-
-
高城商店(石造倉庫)
-
1932(昭和7)年頃に建てられた木造の商店。
壁にかけられた風情あるホーローの看板や石造りの倉庫が、昭和の時代の雰囲気を感じさせてくれます。
札幌景観資産第25号に指定されている建物。個人宅のため、内部は非公開です。札幌市東区北7条東4丁目28
-
-
日本基督教団札幌教会
-
ロマネスク風の現在の会堂は、1904(明治37)年に札幌軟石を使ってつくられました。
創成川に面したこの教会は、今も古いたたずまいを残し、まちの風景に溶け込んでいます。
札幌景観資産第7号に指定。
見学は、外観のみ可能です。札幌市中央区北1条東1丁目
-
-
カトリック北一条教会 司祭館カテドラルホール
札幌軟石の外壁にかわら屋根を組み合わせた、ユニークな建物。
札幌のカトリック教会の歴史を伝える建築物で、隣接する教会とともに、都市の景観と調和しながら、異国情緒を醸し出しています。
教会行事がない場合は見学が可能です。
事前に許可を得てから観覧してください。札幌市中央区北1条東6丁目
-
-
旧札幌控訴院庁舎(札幌市資料館)
1926(大正15)年に札幌控訴院として建設、1973(昭和48)年に札幌市資料館として開館。札幌軟石を使用した現存の建物では最大級と言われています。建物正面上部に刻まれている、目隠しされたギリシャ神話の“法の女神”と公平を表す秤、正義の剣は必見。ほかにも「おおば比呂司記念室」「刑事法廷展示室」などの見学ができます。
札幌市中央区大通西13丁目
観覧時間 9:00~19:00
休館日 月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
-
-
秋野総本店薬局
-
切妻屋根に白壁の土蔵造りと石蔵を備えた薬局は、1901(明治)34年に建てられました。
明治時代の雰囲気をしのばせる、数少ない商店の一つでもあります。
現在も薬局として営業しているため、店舗を利用する場合のみ内部の観覧が可能です。札幌市中央区南1条西1丁目
-
-
7
石山通(国道230号)
1870(明治3)年、東本願寺の僧たちが、現在の山鼻から中の沢までの区間を開削した道路が始まりと言われています。
1872(明治5)年から硬石山や石山地区などで札幌軟石の採石が始まり、切り出された石材を運ぶ馬車や馬車鉄道が道路を利用したことから、石山通と呼ばれるようになりました。
今もなお、市内交通の大動脈として、多くの人が利用しています。札幌市中央区、南区(国道230号線)
-
-
藻南公園
かつての、札幌軟石の採掘場跡地。園内の「札幌軟石ひろば」の岩壁には、札幌市で軟石が切り出された初期の切羽跡が残っています。
ひろばには、石切りの工程が分かる説明版が設置されており、その説明の状態に合わせた石も一緒に展示されているのもポイント。
興味とともに、理解も深めることができます。札幌市南区川沿9~11条1丁目、真駒内柏ケ丘7、8、12丁目
11月下旬~4月中旬は冬季閉鎖
-
-
石山緑地、石山軟石採掘場跡
札幌軟石の巨大な石切り場跡を、公園へと再生したのが石山緑地です。
北ブロックには展望テラスやテニスコートなどが設けられ、市民の憩いの場となっています。
南ブロックは、切り立った岩肌の造形美が印象的エリア。
札幌軟石を使った巨大な作品や広場は、まるで異国のような雰囲気を醸し出しています。
園内の至るところにデザインが施されており、公園全体がアートスペースとして楽しめます。札幌市南区石山78
-
-
旧石切山駅(現・石山振興会館)
旧定山渓鉄道は、1918(大正7)年に白石と定山渓を結ぶ鉄道として開業。
この建物は「石切山駅」の駅舎として、1949(昭和24)年に建設されました。
旧定山渓鉄道で現存している駅舎は、ここ旧石切山駅のみとなります。
後に札幌市の所管となり、石山振興会館運営委員会へ貸与。
現在は事務所として使用されているので、許可を得て見学してください。札幌市南区石山1条3丁目1-30
-
-
旧石山郵便局
札幌軟石の風合いや趣を存分に感じられるこの建物は、かつての石山郵便局。
2019(平成31)年4月に物販やカフェを中心としたスペース「ぽすとかん」としてオープンしました。
カフェギャラリーには明治から昭和にかけての札幌軟石にまつわるパネル写真を展示。
雑貨店には軟石を使ったアロマストーンやマグネットなどの、かわいらしい雑貨が販売されています。札幌市南区石山2条3丁目1-26
定休日 火曜・水曜
-
-
石山神社
鳥居をはじめ、境内の灯篭や狛犬にも札幌軟石が使われている石山神社。
2015(平成27)年に神殿が建て替えられた際も、鳥居は古き良き時代のまま残されました。
長い時を経た風合いに、情緒が感じられます。
南区の神社で唯一、神職が駐在している神社でもあり、かわいいお守りなどの販売も行っています。札幌市南区石山254
-
-
旧沼田家倉庫
札幌軟石を使った石造りの倉庫。
玉ねぎ栽培がさかんな東区で、かつて玉ねぎを貯蔵するためにつくられたものです。
現在は改装され、豆蔵珈房「宮田屋」東苗穂店として営業中。
店舗を利用する場合に限り、内部を観覧することができます。札幌市東区東苗穂5条2丁目11-18
-
旧馬場農場のサイロ
1927(昭和2)年、馬場和一郎氏の農場内に、種畜生産と乳製品の加工のために建てられたサイロです。
高さ9m、直径6.15mと、建設当時は最大級の大きさを誇りました。
その後、札幌市が買収。
市営団地が造成されてからも、貴重な歴史的遺産として、団地のシンボルとして保存されています。
外観のみ、見学することが可能です。札幌市厚別区厚別中央2条3丁目
-
八絋学園資料館
1927(昭和2)年、農業者育成のために創設された八紘学園。
農業にまつわる資料を保存してある農業資料館は、かつて、めん羊舎として使われていた建物です。
ほかにも石造りのサイロや洋館(現・栗林記念館)といった建物が保存されています。
内部の見学を希望する場合は、八紘学園へ電話して事前に許可を得てください。札幌市豊平区月寒東1条12~13丁目
-
-
旧宇納牧場サイロ
札幌軟石を使ってつくられた、旧宇納牧場のサイロ。
近くには樹木に包まれるように「酪連発祥の地」の碑が建っています。
また、周りには「旧出納邸」などが建っており、牧歌的でゆったりとした情景が広がっています。
現在、一般公開はされていませんが、敷地外からの見学は可能です。札幌市厚別区上野幌1条5丁目
-
いかがでしょうか?地元の方への認知度もそれほど高くないが、建物・設計にご興味のある方には俄然興味を持たれる方も多いと思います。
弊社は歴史に埋もれてしまいそうな観光資源にもフューチャーし、発信していくことで民泊稼働率の向上に繋げ、オーナー様に喜んでいただける運営代行会社を目指しております。
民泊はこれから大きく成長していくビジネスです!
民泊事業は未だ黎明期です。
民泊に適した場所もまだまだ残されています。
弊社は、土地・建物選定のご協力からお手伝いさせていただきます。
ニセコ・稚内他での運営代行の実績とノウハウでお応えさせていただきます。
民泊事業ってどうやって始めたらいいの?と、
お考えの方、少しでもご興味のある方はお気軽にお問い合わせください!
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
住所 〒064-0914
北海道札幌市中央区南14条西11丁目1-3リージェント・ブランドビル 2F
お問い合わせ先(お気軽にご連絡ください)
TEL 011-776-7812
メールにてお問い合わせの方はこちらから
FAX番号 : 011-776-7822
住宅宿泊管理業免許 国土交通大臣(01)第F3038号
不動産業免許 北海道知事石狩(1)第9068号
弊社はニセコでの宿泊施設の運営経験をいかし札幌、小樽、稚内など
北海道全域で民泊運営代行/管理のサービスを提供しております。
宅建業も行なっておりますので、購入、売却等のサポートも可能
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------